摩訶不思議体験2️⃣
高校を卒業し介護福祉士を取得した私はS病院で介護士として働いていた
20歳になる直前くらいだったか。
そんな時の話。
介護職というのは全く人気がない
それが全く納得できるほどの低賃金にて
高校上がりであるという社会を知らない私は当たり前のように毎日朝も早くから深夜まで働かされていた。
ある日いつものように激務を終わらせた私は
ヘトヘトで40分かかる道を車で帰宅していた
自宅まであと15分か。
山沿いの道を進んだ私は
何の気なしにふと斜め左後方に目をやった
すると
なんとなく青光りしている車よりでかいであろう白い犬が走っていた
結構な速度で加速している。
しかも2体おり、だんだんと車が追いこされるかと思う時
車と並行して走り出した
そのまま2体は更に加速した
車へぶつかる方向にゆるやかなカーブを描きながら。
この様に落ち着いて文章にしているが
そのさなかでは
「うぉいうぉい!ぶつかるげ!ひいてまうやんけぇ!」
そう叫んでいたと思う
狭い山沿いの道でとても避けることができない
目を瞑っていたかもしれないし
ぎゃー
とか何とか言葉にならない叫び声もあげていただろうか。
がたんがたんと車が揺れた
動悸がして車を止めた
「ひいてもた」
後ろを振り返る事もできず
顔を上げることができずしばらく車の中で泣いていた私は
数十分経ったか
気分が激落くんのままヘロヘロと帰宅した
次の日
腫れた目で父母に昨夜起こったことを話した
「ひいてもてたらまだ朝やでいるやろうな」
同じ道を通り私より少し早く仕事へ行く父が見ておいてやると先に家を出た
なにもいなかったとのことだった
そもそも何かをひいていたら
車に痕跡が残るだろうし、なにより車ほどのでかい犬がぶつかっていたら、私の乗っていたボロボロの軽自動車なら、更にボロッカスになっていただろうし
がたがた揺れただけでは決して済まない
今でも何だったのかわからないけれども
その後すぐ子供が出来、出産した私は
「あの時のお犬様は産まれ来る子たちなのかしら」とか思ってみたりしていたが
実際は3人産んだのでその線は消えた
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